Web広告を出すときに、どのくらい費用がかかるのかを決める重要な指標がクリック単価(CPC)です。
クリック単価とは、広告が1回クリックされるごとに発生する料金のことです。広告費をどれくらい効率よく使えているかを測るうえで欠かせない考え方です。クリック単価を理解しておくと、予算の使い方を最適化し、より多くのユーザーに商品やサービスを届けやすくなります。
クリック単価(CPC)とは

クリック単価(CPC)とは、広告が1回クリックされるごとに発生する費用のことです。
広告主は、広告がどれだけ表示されたかではなく、実際にクリックされた回数に応じて料金を支払います。
クリック単価制で広告を出す場合、広告主は最初に、「1クリックに支払ってもよい最大金額」として、上限クリック単価を設定します。ただし、実際の平均クリック単価は、入札額や広告の品質スコアなどによって変動し、上限よりも低くなることが一般的です。
クリック単価(CPC)の計算方法

平均クリック単価は、広告費÷クリック数で計算できます。
たとえば、広告費が10,000円でクリック数が200回の場合、CPCは1クリックあたり50円です。
このようなクリック単価制の料金モデルは、Google(グーグル)広告やFacebook(フェイスブック)広告、Instagram(インスタ)広告など、多くのWeb広告で採用されています。CPCを理解しておくと、広告費がどれだけの訪問者数につながったかを把握できるようになります。
クリック単価(CPC)に似た用語
- PPC(Pay Per Click):広告がクリックされるたびに料金が発生する仕組みです。CPC広告とほぼ同義ですが、CPC(Cost Per Click)が「クリック1回あたりの単価」を示すのに対し、支払い方法を指します。
- CPA(Cost Per Action):ユーザーがクリックしたあとに、購入、資料請求、登録など、特定のアクションを完了したときに発生する費用です。CPA制の広告は、成果に対して課金されるため、効果測定に使われることが多いです。
- CPM(Cost Per Mille):広告が1,000回表示されるごとに発生する費用です。CPM制の広告は、クリックされなくても、表示されるだけで料金が発生するため、ブランド認知戦略やリーチ拡大を目的とする広告で使われることが多いです。
- CPV (Cost Per View):動画広告が1回再生されるごとに発生する費用です。YouTube広告などで採用されています。一定時間視聴された場合に、費用が発生するよう設定される場合もあります。
クリック単価(CPC)の相場

クリック単価は、業種や媒体、キーワードの競争状況によって大きく変わりますが、日本国内のリスティング広告(検索広告)の平均クリック単価は、おおよそ50円〜500円程度が一般的な目安です。2025年に行われた調査によると、業界別の相場は以下の通りです。
- 不動産:約300〜800円
- 美容:約80〜200円
- 医療:約200〜600円
- 教育:約150〜400円
- EC:約50〜150円
クリック単価を下げる方法5つ

クリック単価を下げることで、有料広告の運用コストを抑えつつ、同じ予算でもより多くの人に広告を届けられるようになります。ここでは、初心者でもすぐ実践できる5つの改善ポイントを紹介します。
1. 広告の品質スコアを上げる
広告の品質スコアは、広告文の内容、クリック率、ランディングページの使いやすさなどで決まります。
広告の品質スコアが高いほど、同じ入札額でも広告が優先的に表示されやすくなり、クリック単価を下げることができます。スコアを上げるには、次のような工夫が求められます。
- 広告文の中にターゲットキーワードを含める
- 広告で伝えた内容とランディングページを一致させる
- ページの読み込み速度を改善する
2. キーワードを見直す
競争が激しい人気キーワードは、クリック単価が高くなりがちです。たとえば「Tシャツ」や「ギフト」などの一般的なキーワードではなく、「オーガニックコットン Tシャツ」や「名入れ 出産祝い ギフト 雑貨」など、より具体的で検索ボリュームが少ないロングテールキーワードを選ぶと、費用を抑えられることがあります。
Google広告のキーワードプランナーなどのツールを使って、キーワード検索を行い、クリック単価の目安を調べながら、最適なキーワードを設定しましょう。
3. 広告の配信設定を最適化する
広告を表示する地域、時間帯、デバイスを絞ることで、無駄なクリックを減らし、クリック単価を下げることができます。
たとえば、ターゲット層が帰宅時間にスマートフォンを使う場合、表示時間を夜間、表示デバイスをスマートフォンに絞って配信するのがおすすめです。
効果の高い条件に集中させることで、同じ予算でもより多くの成果が期待できます。
4. A/Bテストで効果を比べる
A/Bテストとは、広告の文面や画像を少しずつ変えた2つのバージョンを比べて、どちらが反応が良いかを確かめる方法です。
たとえば、「送料無料!」と「今だけ10%オフ!」のどちらのキャンペーンの反応が良いか、明るい背景と落ち着いた背景のどちらが良いかなどを比較し、クリック率が高いほうを採用します。このテストを繰り返すことでクリック率を上げ、クリック単価の改善につなげることができます。
5. 成果をこまめにチェックする
広告は出しっぱなしにせず、どの広告がクリックされているか、どのキーワードが効果的かを定期的に確認しましょう。クリック率が低い広告や成果の少ないキーワードに費用をかけすぎている場合は、その分を成果の高い広告に回すようにしましょう。
広告の管理画面でクリック単価、クリック率、コンバージョン数などをチェックしながら、少しずつ調整していくことが大切です。
まとめ
クリック単価は、Web広告の費用対効果を測る基本の指標です。クリック単価を理解しておくことで、広告費をムダなく使い、少ない予算でもより多くの人に商品やサービスを届けることができます。
Web広告の運用は、データを見ながら少しずつ改善していくことが成功の近道です。クリック単価の仕組みを理解し、広告費を効果的に活用していきましょう。
よくある質問
広告を出す前にクリック単価を調べる方法は?
Google広告のキーワードプランナーやMeta広告マネージャーを使えば、キーワードごとの平均クリック単価を無料で確認できます。最初は少額でテスト配信し、実際のクリック単価を把握してから本格的に運用するのがおすすめです。
クリック単価が高い広告は悪い?
いいえ、クリック単価が高くても、購入や問い合わせなどの成果につながる場合は、費用対効果が高い広告といえます。逆にクリック単価が低くても成果が少なければ、広告費が無駄になってしまいます。
大切なのは、広告費用対効果(ROAS)など、他の指標もあわせて確認することです。
クリック単価はどの媒体でも同じ?
クリック単価は広告を出稿する媒体によって異なります。Google広告やYahoo!広告などの検索広告はクリック単価が高めの傾向があり、SNS広告は比較的安い傾向にあります。
媒体別の相場は次のとおりです。
- Google広告:約100〜350円
- Yahoo!広告:約80〜280円
- Instagram広告:約50〜150円
- Facebook広告:約60〜200円
- X(旧Twitter)広告:約70〜180円
文:Taeko Adachi





