モバイルショッピングの人気は急速に高まっており、2029年までにはEコマース売上の63%を占めると予測されています。ECストアを運営している方も、クローゼットに眠っている服を売って副収入を得たい方も、それ以外の方も、スマートフォンを使ってモバイルユーザーにリーチし、収益を上げるのに役立つアプリが数多く存在します。
この記事では、商品販売に最適な9つのアプリ、適切なアプリの選び方、そしてアプリを通じた販売のベストプラクティスについて詳しく解説します。
商品販売に最適な9つのおすすめアプリ
オンラインで商品販売向けのアプリは数多くあります。以下に、特に優れた選択肢をご紹介します。
| アプリ | 販売手数料 | 対象ユーザー |
|---|---|---|
| Shop | なし | あらゆる規模のEコマース事業者 |
| eBay | ほとんどの商品カテゴリで13.6% + 40¢(約60円) | アンティーク・コレクタブル販売業者 |
| Facebook Marketplace | 対面受け渡しは無料、配送商品は10%、最低80¢(約120円) | 地域密着型販売者 |
| Poshmark | 15ドル(約2280円)未満の売上は2.95ドル(約450円)、15ドル(約2280円)超は注文金額の20% | 衣類転売業者 |
| Etsy | 出品ごとに20¢(約30円)、各売上の6.5% | 手作り作家 |
| OfferUp | 対面販売は無料、配送商品は12.9%、サービス投稿は月75ドル(約1.1万円) | 地域密着型販売者 |
| Mercari | 売上価格の10% | カジュアル販売者 |
| ThredUp | 売上価格の20%〜97% + 衣類バッグ1つにつき14.99ドル(約2300円) または34.99ドル(約5300円)のサービス料 | 衣類委託販売者 |
| Craigslist | 販売手数料なし、一部カテゴリで出品料あり | 地域密着型販売者 |
1. Shop
Shopアプリは、オンラインストアを持つ販売者がShopifyで収益を上げるための補足的手段です。顧客がShopアプリで商品を購入すると、注文は連携されたShopifyストアを通じてシームレスに処理されます。標準的な決済処理手数料以外に販売手数料はかからず、より多くの利益を確保できます。
このアプリには、パーソナライズされた商品推奨やAIショッピングアシスタントなど、新規顧客と既存顧客からの売上転換を支援する機能が複数搭載されています。興味のある商品のコレクションを作成し、他のユーザーとコレクションを共有することも可能です。
Shopアプリでは、Shop Cash(Shopアプリ利用時にバーチャルキャッシュを獲得できるリワードプログラム)や詳細な配送追跡機能により、顧客体験も向上できます。クレジットカードなどの支払い方法に加えて、Shop Pay Installments(適格な顧客が大きな買い物を無利息分割払いできる後払いオプション)も利用できます。
Shopアプリを利用することで、新規顧客に特別オファーでアプローチできるコンバージョン課金プログラムShop Campaignsにもアクセスできます。Shopifyのプロダクトディレクター、アンドリウス・バラナウスカス氏は、次のように述べています。「ユニリーバブランドのLiquid I.V.などのブランドが、Shop Campaignsを使って顧客獲得コストを40%削減しました」
対象ユーザー
あらゆる規模のEコマース事業者
料金
Shop PayはShopifyサブスクリプションに含まれており、追加料金はかかりません。
機能
- 販売手数料なし
- Shopifyペイメントによる幅広い決済方法に対応
- Shop Payによる高速チェックアウト
- Shop Campaignsでより多くの顧客にリーチ
- 詳細な配送追跡
- ECサイトの完全カスタマイズが可能
2. eBay
eBayは1995年にオンラインオークションサイトとして設立されました。長年にわたり、eBayは「今すぐ購入」リスティングをサポートするよう進化し、グローバルで月間270万ダウンロードを記録するモバイルアプリも提供しています。
オークションサイトとして始まったeBayは、アンティークなどのニッチ市場の販売者を惹きつけていますが、それ以外にもあらゆる新品・中古品を販売できます。商品を素早く販売したい場合は、モバイルアプリを使って数分でリスティングを作成できます。
Shopifyストアを運営している場合は、Marketplace Connect(日本語未対応)アプリを使用してストアフロントをeBayと統合できます。Marketplace Connectは在庫と価格情報を同期し、ShopifyアドミンからeBayの売上を管理できるなど、様々なメリットを提供します。
対象ユーザー
アンティーク・コレクタブル販売業者
料金
eBayで発生する手数料は以下の通りです。
- 出品手数料:月に250商品以上を出品する場合、商品1つにつき35¢(約53円)の出品料がかかります。
- 最終価格手数料:eBayが売上から徴収する金額は商品カテゴリによって異なります。2.5%から15.3%の範囲ですが、ほとんどのカテゴリで13.6%が適用されます。また、定額料金も発生します。商品が10ドル(約150円)未満の場合は30¢(約46円)、10ドル(約150円)以上の場合は40¢(約60円)です。
- eBayストアサブスクリプション:eBayでの販売は無料でも可能ですが、eBayストアを作成することで出品・販売手数料を削減し、ストアフロントにブランディングを追加できます。プランは月額4.95ドル(約750円)からです。
機能
- Marketplace Connectアプリを通じたShopify統合が利用可能
- 有料サブスクリプションによるカスタマイズ可能なストアフロント
3. Facebook Marketplace
Facebook Marketplaceは、Metaのコマースポリシーを満たすFacebookアカウントを持つ人なら誰でも利用できます。Facebook Marketplaceには専用アプリはありませんが、Facebookのメインアプリからアクセスできます。
Marketplaceは、個人間売買ツールとしてよく使用されます。近隣同士でコミュニケーションを取りながらの販売に適しています。
販売範囲を設定できるため、家具、フィットネス機器、テレビなど、重くて配送が困難な商品の販売にうってつけです。とはいえ、プラットフォーム内チェックアウトや配送オプションなど、小規模事業者向けの機能も備えています。
対象ユーザー
地域密着型販売者
料金
配送商品については10%の販売手数料、または最低80¢(約120円)の料金がかかります。対面での販売については手数料はかかりません。出品手数料はありません。
機能
- Facebook Messengerによるアプリ内メッセージング
- 配送とオンラインチェックアウトが利用可能
- アプリ内チェックアウトは主要クレジット・デビットカードとPayPalに対応
4. Poshmark
Poshmarkは、中古衣類とアクセサリーの品揃えが豊富です。ライブバーチャルショッピングイベントや在庫管理・分析ツールなど、販売を支援するさまざまな機能が備わっています。ただし、Poshmarkの販売手数料は類似プラットフォームよりも高くなる可能性があることを念頭に置いてください。
より多くの顧客にリーチするために、リアルタイムで商品を販売できるライブストリーム「Poshmark Shows」を試すことができます。また、割引と配送料削減と引き換えに、購入者がストアフロントから複数商品を購入することを促す「Posh Bundle」も利用できます。
商品が売れた後、Poshmarkは関連する配送情報が記載された印刷可能な配送ラベルを送付します。Poshmarkでは購入者が8.27ドル(約1260円)の定額配送料を支払います。
対象ユーザー
衣類転売業者
料金
Poshmarkの販売手数料は商品価格によって異なります。
- 15ドル(約2300円)未満の商品:2.95ドル(約450円)の定額手数料
- 15ドル(約2300円)超の商品:注文金額の20%
機能
- Posh Showsによるライブ販売
- Posh Bundleによるクロスセリング促進
- アプリ内決済ゲートウェイが人気の決済方法に対応
5. Etsy
2005年に設立されたEtsyは、手作り、ヴィンテージ、オーダーメイド商品を販売に特化した人気のプラットフォームです。デスクトップサイトに加えて、Etsyはスマートフォンで買い物をする顧客向けのモバイルアプリも提供しています。
EtsyにはEtsy内外で広告を購入し、ショップへのトラフィックを増やすことができる広告プラットフォームがあります。Shopifyを利用している場合は、Marketplace Connectアプリを使用して在庫を同期し、Shopifyアドミンから売上を管理できます。
対象ユーザー
手作り作家
料金
Etsyの手数料には以下のようなものがあります。
- セットアップ料:販売開始時の15ドル(約2300円)一回限りの料金
- 出品手数料:販売商品1つにつき20¢(約30円)
- 取引手数料:各売上の6.5%
機能
- Marketplace Connectアプリを通じたShopify統合
- バナー画像でストアフロントをカスタマイズ
- 内蔵決済プロセッサーのEtsyペイメントがおもな決済方法に対応
6. OfferUp
OfferUpは近隣地域の売買向けモバイルアプリです。1億5000万回以上のダウンロード実績があり、年間3000万件以上の取引を促進しています。このプラットフォームでは物理的な商品以外のものも販売できます。例えば、求人、サービス、住宅賃貸などです。
対象ユーザー
地域密着型販売者
料金
OfferUpでは、対面での商品販売に販売手数料は発生しません。プラットフォームの配送オプションを選択した場合、OfferUpは注文総額の12.9%を徴収します。サービスを投稿するにはサブスクリプション(月額75ドル)の購入が必要で、求人リスティングは1件につき25ドル(約3700円)です。
7. Mercari
Mercariは日本発のオンラインマーケットプレイスです。中古衣類、美容商品、電子機器、オフィス用品など、あらゆるものを閲覧できるアプリです。
Mercariは、配送可能な商品が幅広く販売されている点で、eBayに似ています。商品カテゴリによっては、eBayよりもMercariの方が販売手数料が安い場合があります。例えば、2,000ドル(約30万円)未満の女性向け衣類・アクセサリーの場合、Mercariでは10%、eBayでは15%の手数料がかかります。
Mercariは、素早く収益を得ることができるInstant Payも提供しています。1日1回、最大600ドル(約9万円)をデビットカードで引き出すことができ、引き出しごとに3ドル(約450円)の手数料がかかります。
対象ユーザー
カジュアル販売者
料金
Mercariは10%の販売者手数料を請求します。出品手数料はありません。
機能
- 幅広い商品カテゴリ
- 国際的な顧客基盤
- 有料でのInstant Pay
8. ThredUp
ThredUpは中古衣類の販売に特化した委託販売プラットフォームです。自分でリスティングを作成する必要がなく、商品をThredUpに送付すると、同社が商品の撮影、リスティング、配送を代行してくれます。商品の販売開始まで通常4〜6週間かかります。
ThredUpが商品価格を設定し(リスティング後に多少の調整は可能)、獲得金額は商品の販売価格によって決まります。商品の売上で収益を得るには、リスティング期間(30〜90日間)内に商品が売れる必要があります。商品がサイトに掲載されてしばらく経つと、ThredUpは販売促進のため割引を適用します。
対象ユーザー
衣類委託販売者
料金
ThredUpは処理する衣類30ポンドバッグ1つにつき14.99ドル(約2200円)のサービス料が発生します。なお、プレミアムバッグは34.99ドル(約5300円)。つまり、ThredUpでは損失が発生する場合もあります。
ThredUpの販売手数料は商品の販売価格によって異なります。
- 5〜19.99ドル(約760円〜3000円):ThredUpが商品価格の85%〜97%を徴収
- 20〜49.99ドル(約3000円〜7600円):ThredUpが70%〜85%を徴収
- 50〜99.99ドル(約7600円〜1.5万円):ThredUpが40%〜70%を徴収
- 100〜199.99ドル(約1.5円〜3万円):ThredUpが20%〜40%を徴収
- 200ドル(約3万円)以上:ThredUpが20%を徴収
機能
- プラットフォームが商品の撮影、リスティング、配送を代行
- 幅広いブランドを受け入れ
9. Craigslis
1995年に開始されたCraigslistは、インターネット初期に誕生したマーケットプレイスの1つです。求人、コミュニティ、売り物、住宅、サービス、求人、コンサートなどのカテゴリがあり、サブレットから車、個人広告、さらには紛失した鍵まで、あらゆるものが掲載されています。
Craigslistはレトロなインターフェースを維持していますが、購入者と販売者がスマートフォンからプラットフォームを利用できるアプリも提供しています。Craigslistには配送機能がないため、地域での受け渡しに最適です。購入者との支払いなどに関して直接交渉することになります。
対象ユーザー
地域密着型販売者
料金
Craigslistには販売手数料がなく、ほとんどの場合プラットフォームへの投稿料もかかりません。ただし、家主、自動車販売業者、求人投稿に関しては例外がいくつかあります。
機能
- 販売手数料なし
- 幅広い投稿を受け入れ
販売に適したアプリの選び方
オンラインで商品を販売するアプリを選ぶ際に考慮すべき主な要因は以下の通りです。
1. オーディエンスを考慮する
商品のターゲットオーディエンスを特定し、どの販売アプリが市場と合致するかを調査しましょう。例えば、ヴィンテージ衣類を求めるファッション愛好家にリーチしたい場合はPoshmarkが適していますが、野球カードなどのコレクターグッズの販売にはeBayの方が良いかもしれません。
また、ターゲットとするのが近隣地域の人なのか、それとも地域外の人にもリーチしたいのかを考慮します。例えば家具を販売したい場合、地域での受け渡しに向いているFacebook Marketplaceのようなプラットフォームが適しているでしょう。一方、ユニークな靴を販売したいなら、地域を超えてオーディエンスを拡大したいと思うでしょう。
2. 手数料体系を調査する
それぞれのアプリの販売手数料、出品手数料、配送手数料、サブスクリプション費用を比較しましょう。アプリごとに手数料体系は異なります。一部のプラットフォームは商品カテゴリによって異なる手数料を請求するため、費用を比較する際は販売予定の商品を必ず考慮してください。
利便性についても考慮しましょう。ThredUpでは、他のプラットフォームより高い手数料が発生しますが、商品の撮影、リスティング、配送を代行してくれます。すべてを代行してくれるため、ThredUpは初心者がオンラインで収益を上げるのに適した選択肢と言えます。
3. 機能を探る
アプリにより、充実した決済方法、スピーディなチェックアウトと入金処理、アプリ内メッセージングなど、さまざまな機能を搭載しています。
例えば、eBayには最低価格を設定して個人間で競わせるオークション機能があります。Poshmarkには、Instagram、TikTok、Snapchatに似た短い動画で商品を紹介できるPosh Storiesなどのソーシャル機能が含まれています。Craigslistのようなプラットフォームはよりシンプルです。
プラットフォームを比較する際は、現在と将来の両方で必要な機能について考えてみてください。
4. カスタマイズについて考える
不要な衣類や電子機器をオンライン販売したいなら、ブランド構築は気にする必要はないでしょう。しかし、副業を拡張させたいと考えている場合、ブランド構築は不可欠です。
ブランドカラーなどの重要なブランドアイデンティティ要素を紹介するストアフロントを構築できる販売アプリを選びたいでしょう。これにより、消費者が企業を認識しやすくなります。
Shopアプリのようなプラットフォームは、顧客をEコマースサイトに誘導し、そこでブランドアイデンティティを表示できます。eBayなどでは、個性を出すためにバナー画像などをストアフロントに追加するには、料金が発生します。ThredUpでは、購入者に販売元の情報は表示されません。
アプリでの販売のコツ
- 高品質な商品画像を撮影する
- 魅力的な商品説明を書く
- 適切な価格を設定する
- 安全を確保する
アプリで商品を販売する際のベストプラクティスをご紹介します。
高品質な商品画像を撮影する
高品質な商品は、スクロールの手を止め、商品をクリックしてもらえる可能性が高まります。スマートフォンも使用できますが、被写界深度や露出をより細かく制御できる高品質なカメラを使用するのが理想です。
シンプルな色付き背景でプロフェッショナルな写真を撮影することも、より自然な環境で商品を紹介することもできます。カルガリーに拠点を置くGOGO Sweaters(英語サイト)を運営するサウス・ヴァン・デル・リー氏は、商品紹介では屋外で女性が商品を着用している写真を使用しています。
「特にオンライン販売では、買い物客が自分自身の姿をイメージできるような写真を使用することは非常に重要です」と、サウス氏はShopify Mastersのエピソードで語っています。
魅力的な商品説明を作成する
オンライン販売の成功には、魅力的かつ正確な商品説明の作成が欠かせません。
家具や中古衣類などの中古品を販売する場合は、摩耗や損傷について詳細な情報を提供しましょう。商品の状態について透明性を保つことで、返品を防ぎ、プラットフォームでの評判を維持し、長期的により多くの顧客を惹きつけることができます。商品説明に誤解を感じた顧客からの悪いレビューが1つでもあると、売上に悪影響を与える可能性があります。
適切な価格を設定する
競争力のある販売価格を設定することは、売上アップの実現には不可欠です。類似商品を調査し、その価格設定を詳しく評価しましょう。
新品を販売する場合は、原材料や生産コストなどの変動費、諸経費などの固定費を考慮しながら商品価格を設定します。その後、適切な利益率を確保するためにマークアップを追加します。Shopifyの利益率計算機を使用して適切な価格を見つけることができます。
中古品を販売する場合、価格設定はそれほど単純ではありません。商品の初期販売価格、状態、希少性を考慮する必要があります。類似商品がどのように評価されているかを確認するため、プラットフォーム間で価格をチェックしましょう。
安全を確保する
購入者に個人情報を提供したり、購入者を自宅の場所を知らせたりするのはできる限り避けましょう。近隣地域で商品を販売する場合は、安全な場所で待ち合わせすることを心がけましょう。会う前に購入者のプロフィールをチェックして、本人であることを確認しましょう。PayPal、Stripe、Shopifyペイメントなどの安全な決済方法の使用を推奨します。
商品販売アプリに関するよくある質問
商品を販売するのに最適なアプリは?
商品販売に最適なアプリは以下の通りです。
- Shop
- eBay
- Facebook Marketplace
- Poshmark
- Etsy
- OfferUp
- Mercari
- ThredUp
- Craigslist
最も手数料が安い販売アプリは?
Shop、Craigslist、Facebook Marketplaceが最も手数料が安いです。Shopアプリは追加費用なしで使用できます。Craigslistは取引手数料はかかりません(ただし、一部の種類のリスティングには手数料がかかります)。Facebook Marketplaceも、直接販売の場合、手数料は発生しません(配送の場合には配送料が発生します)。
最も収益性の高い販売サイトは何ですか?
最も収益性の高い販売アプリは、プラットフォーム手数料なしでEコマースサイトに直接接続するShopアプリです。その他の収益性の高い販売サイトには、Facebook Marketplace、Craigslist、eBay、Mercariがあります。





