YouTubeは世界で最も利用されている動画プラットフォームの一つであり、個人や企業がブランドを発信する主要なメディアとなっています。単発でも再生回数が伸びる(バズる)動画を生み出すことはできますが、登録者が少ない状態では、継続的に視聴されるチャンネルを育てることは難しくなります。安定した登録者数は、動画の拡散力を高め、収益化や顧客との信頼構築にも直結します。
また、ECサイトの運営においても、YouTubeを活用した動画マーケティングは、商品の魅力を伝えファン層を広げるのに効果的な手段です。
この記事では、YouTubeチャンネルの登録者数を増やし、継続的にチャンネルを成長させるためのポイントを紹介します。
YouTubeフォロワー数を伸ばす17の方法

- ターゲットを絞り専門性のあるチャンネルにする
- わかりやすいチャンネル名とチャンネルアイコンにする
- チャンネルの説明欄・概要欄を充実させる
- 視聴者の役に立つ動画を作る
- 動画の冒頭10秒でユーザーを惹きつける
- 魅力的なサムネイルを作成する
- ショート動画も積極的に活用する
- 動画の再生リストを作成する
- 動画の最後に次回予告を入れる
- 動画内で登録を促す仕組みを整える
- コメント欄で視聴者と交流する
- 関連性が高いチャンネルの動画にコメントする
- クリエイターやインフルエンサーとコラボする
- SNSや他メディアでチャンネルを宣伝する
- 定期的に動画を投稿する
- 動画にSEO対策を取り入れる
- 定期的にチャンネルの分析・改善を行う
1. ターゲットを絞り専門性のあるチャンネルにする
登録者を増やすための第一歩は、チャンネルの方向性を明確にすることです。まずは、誰に向けて、どのようなテーマで情報を発信するのかを明確にしましょう。テーマを絞ることで動画内容に一貫性が生まれ、YouTubeのアルゴリズムに認識されやすくなります。
「料理」や「ペット」などカテゴリーを明確にすることで、同ジャンルの他チャンネルを視聴しているユーザーにも、あなたの動画が自動的におすすめされやすくなります。また、専門性や独自の視点を重視することで、視聴者に有益なチャンネルだと認識してもらえ、ファンを獲得しやすくなります。
2. わかりやすいチャンネル名とチャンネルアイコンにする
チャンネル名は、あまり長すぎず、視聴者に覚えてもらいやすいユニークな名前にしましょう。SEOを意識し、ターゲットキーワードをチャンネル名に含めるのも効果的です。YouTubeでの検索結果で上位表示される可能性を高められます。
チャンネルアイコンやバナー画像は、動画のテーマやブランドイメージを視覚的に伝える役割を果たします。実際の視聴環境では、かなり小さいサイズで表示されるため、あまり細かい文字は盛り込まない方がいいでしょう。また、色調のメリハリがない写真やコントラストの弱い画像は、縮小表示では識別しづらくなります。
たとえば、大学入試問題集の赤本で有名な教学社が運営する「赤本チャンネル」は、赤本をイメージしたキャラクターのアイコンが採用されています。シンプルで視認性の高いデザインで、チャンネルのコンセプトが一目でわかる好例です。
3. チャンネルの説明欄・概要欄を充実させる
チャンネル概要は、新しい視聴者が登録を検討する際に最初に確認する場所の一つです。どんな情報を発信しているのか、投稿頻度はどのくらいかなどを具体的に記載しましょう。視聴者は、動画を見終わった後に概要欄を見ることも多いので、次に見てほしい続きの動画や人気の動画のリンクを付けるとスムーズに誘導できます。また、関連するSNSやウェブサイトのリンクも掲載し、他のプラットフォームへの導線を作ることが大切です。わかりやすく簡潔にまとめることで、視聴者の信頼を得やすくなります。
4. 視聴者の役に立つ動画を作る
無数にあるYouTube動画の中で視聴者に選んでもらうためには、有益な情報を提供することが大切です。ターゲットオーディエンスの関心や悩みに応える内容にすると効果的です。たとえば、視聴者の役に立つ情報やライフハックと、個人的な体験や日常要素をうまく組み合わせてみるといいでしょう。ハンドメイド、料理、釣りなどのノウハウを紹介しつつ、実際に自分で試した一部始終を公開すれば、発信内容への信頼感を高められます。
なお、顔出しや自分の声によるナレーションはハードルが高いと感じる場合、無理にする必要はないでしょう。被写体だけの動画や字幕のみの動画で人気を集めているチャンネルも多く存在します。
5. 動画の冒頭10秒でユーザーを惹きつける
YouTubeでは冒頭の数秒で離脱されることが多いため、最初の10秒が勝負です。次のようなポイントを押さえ、視聴者を惹きつけましょう。
- テーマや結論を簡潔に示す
- 動画を最後まで見ることで得られるメリットを伝える
- 動画のハイライトシーンを流す
ハイライトシーンの先出しは、最後まで見てもらえる可能性を高められます。動画で盛り上がっているシーンを見せることで、視聴者の関心を惹きつけ「続きが見たい」と感じさせる効果があります。
なお、オープニングの音楽やロゴは、リピーターの視聴体験を妨げる場合もあるため、使用する場合は数秒程度に留めるのが望ましいでしょう。同様に、毎回固定の番組紹介は一言で簡潔に済ませるようにしましょう。
6. 魅力的なサムネイルを作成する
サムネイルは、動画の内容を視聴者に伝える「表紙」です。動画の魅力が一瞬で伝わるサムネイルにしましょう。具体的なポイントは次のとおりです。
- 読みやすいフォントを使う
- 人の表情は大きく映す
- 動画の内容と合致させる
- カテゴリーで広く受け入れられているデザインを採用する
特に注意したいのは、動画内容との整合性です。内容と乖離したサムネイルにしてしまうと「釣り動画」だと判断され、視聴者の信頼を失う原因になります。
写真、イラスト、文字の選択や配分は、同じカテゴリーの他チャンネルを参考にしましょう。IT系の動画ではテーマを表すキャッチコピーが目立ちますが、ペット動画は文字無しのものも多く見受けられます。また、大手ニュースメディアでは、全面写真の下部に1行だけヘッドラインを配置する傾向があります。このように、ジャンルごとに定番のデザインがある場合も多いため、まずはその形式を参考にしながら、自分のチャンネルらしい工夫を加えることがおすすめです。
たとえば、ビジネス映像メディアの「PIVOT 公式チャンネル」では、経営、テクノロジー、マネー、キャリア、ビジネススキルなどをテーマにしたコンテンツが毎日配信されています。サムネイルには、テーマが一目でわかるキャッチコピーと関連する人物の画像が挿入されており、人の目を惹きつけるデザインになっています。
7. ショート動画も積極的に活用する
YouTubeショートは、新しい視聴者にリーチしやすいフォーマットです。短時間でメッセージを伝えられるため、興味を持ったユーザーがチャンネル登録へ進むケースも多く見られます。長尺動画の要約版やハイライトなどをショートで発信すれば、既存動画との相乗効果も期待できます。ショート動画に適したテンポと構成を意識して作成しましょう。
YouTubeは一度視聴したチャンネルの動画を繰り返しおすすめに表示する傾向があり、ショート動画では特にこの効果が大きく働きます。そのため、継続的かつ多くの動画を投稿することが効果的です。
8. 動画の再生リストを作成する
再生リストを作成し、同じカテゴリーの動画をまとめるのも、視聴者のエンゲージメント向上や新規フォロワー獲得に効果的です。再生リストに関連性のある動画をまとめて配置することで、視聴者が次の動画に自然に移動できるようになります。新規の訪問者が再生リスト内を一気見してくれる可能性もあり、新たなフォロワーの獲得につながる可能性があります。
また、テーマ別のリストを整えることでチャンネル全体の構成が整理され、視聴者にとって内容を把握しやすくなります。検索結果への影響もあるため、リストのタイトルや説明はSEOを意識して設定しましょう。
英語学習チャンネル「Atsueigo」では、英語学習にまつわるさまざまなコンテンツが配信されています。TOEIC学習やIELTS学習などの勉強法のほか、アクセント関連やオンライン英会話関連など、カテゴリー別の再生リストが作成されており、英語学習者が自身のニーズに合わせて動画を探せるように設計されています。
9. 動画の最後に次回予告を入れる
動画のエンディングでは予告を挿入し、次の動画に対する期待を高めましょう。登録者の多い大規模チャンネルでは、集客力や影響力がすでにあるため、次回予告を入れずに終わらせているケースもあります。しかし、成長過程のチャンネルでは、次の動画のダイジェストを見せることで、再視聴やチャンネル登録につなげることができます。もし事前に動画を用意しておくことが難しいのであれば、次回のテーマや内容について軽く触れる程度でもいいでしょう。視聴者に「また見たい」と思わせる締めくくりを心がけましょう。
また、曜日や時間を固定して投稿し、さらにSNSで次回動画について告知することで、視聴者に思い出してもらいやすくなります。
10. 動画内で登録を促す仕組みを整える
登録者数を増やすためには、登録されやすい仕組みを構築することが欠かせません。チャンネルのスタイルや内容に合わせて、次のような工夫を取り入れてみましょう。
- 終了時の挨拶として、チャンネル登録や高評価を呼びかける
- 動画の最後に登録ボタンや各種SNSのユーザー名を掲載する
- チャンネルロゴの透かし(ウォーターマーク)を表示する
YouTubeでは、動画の右下にチャンネルロゴの透かしを表示できます。これは登録ボタンとして機能し、視聴中いつでも登録ページに誘導できる優れた仕組みです。
たとえば、登録者数200万人を超える、水彩画家の「おじいちゃん先生」こと柴崎春通さんが運営する「Watercolor by Shibasaki」では、動画の最後にチャンネル登録ボタンやSNSのユーザー名を配置した終了画面を表示しています。また、動画中にもチャンネル透かしを常時表示し、視聴者がいつでも登録ページへ移動できる設計にしています。
11. コメント欄で視聴者と交流する
コメント欄を使って、視聴者とのコミュニケーションを図りましょう。視聴者のコメントに積極的に「いいね」や返信を付けることで、親近感を高めることができます。
人気のユーチューバーになると、すべてのコメントに反応することは難しくなりますが、上述の「Watercolor by Shibasaki」では、外国語のコメントを含め、基本的にすべての投稿に「いいね」と返信を付けています。こうした一手間により、絵画の技術だけでなく、柔らかく親しみやすい人柄も視聴者に伝わり、人気を集める要因となっています。否定的なコメントがほとんど見られない点も同チャンネルの強みです。
12. 関連性が高いチャンネルの動画にコメントする
同ジャンルのチャンネルで積極的にコメントを残すことで、同じ興味を持つ視聴者に自分のチャンネルを視聴してもらうきっかけを作ることができます。コメントを残す際は、宣伝は避け、動画に関するコメントを残しましょう。YouTubeのコメント欄は、ほとんどが一般視聴者のコメントで占められているため、同業のクリエイターや著名人が稀にコメントすると注目されやすい傾向があり、自分のチャンネルへの流入が期待できます。
ただし、一般視聴者のコメントに埋もれてしまうと狙った効果は得にくいため、そのチャンネルの主催者や視聴者に認知されていることが重要です。
13. クリエイターやインフルエンサーとコラボする
クリエイターやインフルエンサーとのコラボレーションは、互いの視聴者層を共有できる非常に有効な手段です。テーマが近いチャンネルと協力し、企画や対談形式の動画を制作してみましょう。新しい視聴者にチャンネルを知ってもらうきっかけになります。また、信頼性の高いインフルエンサーやクリエイターとのコラボレーションは、自分のチャンネルへの信頼度も高まるため、新規フォロワー獲得に効果的です。双方にメリットのある内容を企画することで、長期的に良好な関係を築くことができます。
たとえば、「QuizKnock」は、登録者数250万人を超える知的エンタメ集団として、クイズ形式を中心に教育的で楽しめる動画を発信しています。さまざまなチャンネルと積極的にコラボレーションを行っているのも特徴です。特に教育系チャンネル「ヨビノリ」と非常に相性がよく、お互いのチャンネルで継続的にコラボ動画を公開しています。
14. SNSや他メディアでチャンネルを宣伝する
YouTubeだけに頼らず、XやInstagram、ブログなどの他メディアで動画を紹介しましょう。投稿内容を切り出してショートクリップとして配信したり、更新情報をSNSで定期的に告知したりすることで、視聴者を呼び込めます。複数の媒体を連携させることで、チャンネル全体の露出を広げ、ブランド力を高めることができます。
「料理研究家リュウジのバズレシピ」は、登録者数500万人を超える大人気チャンネルです。InstagramやXのフォロワーも200万人を超え、さらにTikTokや書籍、スマホアプリなど多様な媒体を活用して、大きな相乗効果を生み出しています。
15. 定期的に動画を投稿する
あらかじめ投稿スケジュールを決めて、定期的に発信するよう心がけましょう。不定期な投稿よりも、決まったサイクルで継続的にアップロードする方が、視聴者の期待を維持しやすくなります。週1回、隔週、ショート動画は毎日など、自分のペースで構いませんが、リズムを守ることが大切です。視聴者に投稿予定を認知してもらうことは、リピーターの視聴率向上につながります。
16. 動画にSEO対策を取り入れる
YouTubeは世界最大の動画検索エンジンであり、動画に限らずGoogleに次ぐ規模の検索プラットフォームとして機能しています。このため、YouTube内の検索から視聴者を呼び込むことは非常に重要です。SEOライティングを活用しながら、タイトル・説明文・タグに適切なキーワードを入れ、検索されやすくなるよう最適化しましょう。視聴者の検索意図を意識したタイトル付けや、サムネイルとの整合性も重要です。
また、字幕の追加やチャプター設定もSEOに有効です。正確な情報とわかりやすい構成を意識することで、検索流入を安定的に増やすことができます。
17. 定期的にチャンネルの分析・改善を行う
YouTube Studioのアナリティクス機能を活用し、動画制作やチャンネル運営の改善に活かしましょう。YouTube Studioでは、次のデータを確認できます。
- 再生回数や視聴時間
- 高評価
- 視聴維持率やクリック率
これらの指標は、YouTubeが視聴者に動画をおすすめするアルゴリズムにも深く関わっています。どの動画が伸びているのかを把握すれば、次の投稿テーマや構成に反映しやすくなります。分析結果に基づいて改善を繰り返すことで、チャンネル運営の質が向上します。データを「数字」として眺めるだけでなく、仮説と検証を重ねることが成功の鍵です。
YouTubeフォロワーを増やす際の注意点

YouTubeでフォロワー数を増やすための対策を講じる際に注意してほしいのが、禁止事項の違反です。YouTubeではさまざまな禁止事項が定められており、違反するとチャンネル停止や収益化停止などのペナルティが課せられます。最悪の場合チャンネルが永久に削除となるため注意が必要です。
YouTubeでは次のような行為は禁止されています。
- フォロワーの購入
- 他チャンネルと登録し合う相互登録
- 視聴回数を自動で増やすツールの使用
- チャンネル登録を条件に金品を提供するインセンティブスパム
このような行為により一見、フォロワー数が増加したように見えるかもしれませんが、実際の視聴やコメントを行わない低品質なアカウントであることがほとんどです。その結果、エンゲージメント率が下がり、アルゴリズム上も不利に働く可能性もあるため、チャンネル運営者にとってメリットはありません。
地道にファンを増やし収益化を目指すことが、長期的に見て最も確実な方法といえるでしょう。
まとめ
YouTubeでフォロワーを増やすには、アルゴリズムを意識したテクニックよりも、視聴者にとって価値のある動画を継続的に届ける姿勢が何よりも重要です。動画の冒頭10秒で惹きつけ、わかりやすいサムネイルを設計し、再生リストやショート動画を組み合わせるなど、コツを抑えることで、視聴体験全体を向上できます。動画編集ソフトを活用することで、魅力的な動画を効率的に制作できるので、検討してみてもいいでしょう。また、コメントへの返信やコラボなど、地道な交流の積み重ねがファンを育てる原動力になります。
一方で、フォロワーを購入したり、ツールを使って視聴回数を水増ししたりすることは、アルゴリズム上の評価を下げ、アカウント停止などのリスクを伴います。真にチャンネルを成長させるのは、数ではなく信頼と継続です。小さな改善を積み重ねながら、自分らしいコンテンツを発信し続けることが、長期的な成功への最短ルートといえるでしょう。
YouTubeフォロワー数の増やし方に関するよくある質問
YouTubeでフォロワー数を増やすにはどうすればいい?
魅力的なサムネイルを設定し、再生リストやショート動画を活用するなど、視聴者が継続して見たいと思える工夫を重ねることが大切です。コメント対応やコラボなど、視聴者やクリエイターとの交流も効果的です。
YouTubeで1,000人のフォロワーを達成すると何が得られる?
フォロワー数1,000人と総再生時間4,000時間を達成すると収益化の申請が可能になります。一般的に1万人以上で案件依頼や広告収入が増えますが、収益はフォロワー数だけでなく視聴回数や視聴時間にも左右されます。
YouTubeでフォロワーを購入するのは問題ない?
フォロワー購入はやめましょう。フォロワー購入はYouTubeのポリシーで禁止されており、チャンネル停止や収益化停止のリスクがあります。見かけの数字よりも、実際に動画を見る忠実なフォロワーを増やすことが重要です。
YouTubeのフォロワー数の推移や各指標の確認方法は?
YouTube Studioのアナリティクス機能で、登録者数や視聴維持率、クリック率、再生回数などを確認できます。
文:Norio Aoki





