【2025年版】最高のハロウィン・マーケティング事例14選

北米ではハロウィンが年間でも有数の高額消費・高収益イベントです。全米小売業協会（NRF）によると、2023年のハロウィン支出は120億ドルに達し、調査対象の83％が購入予定と回答しました。

その多くは店頭消費とはいえ、ECやデジタル領域こそインスピレーションの宝庫です。875百万（8億7,500万）人以上の購買データが示す洞察を活用し、ブランドが成長を遂げる理由を探りましょう。

これまでハロウィンを大規模プロモーションの時期として捉えていなかったなら、今年はチャンスに変えてみてはいかがでしょうか。収益性とクリエイティビティに優れたECブランドのハロウィン施策14選をお届けします。

1. FitVine

健康志向のアルコール飲料で人気のFitVineは、低糖ワインの魅力を伝える遊び心あるメールキャンペーンを実施しました。ハロウィン要素を巧みに取り入れ、製品の健康メリットを強調しつつ世界観を演出しています。

ゴーストやキャンディコーンなどのビジュアルで季節感を演出し、注意を引くだけでなく関連性も高めています。過度な販促コピーではなく、ブランドと製品をめぐる軽快な物語を展開。「Really good wine, without the scary stuff（怖いもの抜きの本当に良いワイン）」のようなタグラインでメッセージを端的に伝えました。

ハロウィンの“怖さ”と、一般的なワインに含まれがちな望ましくない要素を言葉遊びで結びつけ、高品質・不要な添加物なしという価値を印象づけています。文脈に沿ったリッチなビジュアルの活用で、没入感あるパーソナライズされたメール体験を実現しました。

2. Sprayground

SpraygroundはSMSプラットフォームのAttentiveを活用し、ハロウィンコレクションを訴求するテキストキャンペーンを斬新に展開。墓から這い出る色鮮やかなミイラのGIFをメッセージに差し込み、ハロウィンの空気感をユーモラスに表現しました。

本文では「BOO!」の呼びかけや、「When witches go ridin & 3 bags are seen, the moon laughs & whispers ’tis near Halloween」といった韻を踏んだフレーズで祝祭ムードを強調。ユーモアとクリエイティビティを掛け合わせ、テーマ性とビジュアル主導のキャンペーンでホリデー期の視認性とエンゲージメントを高めています。

3. Heinz

HeinzはFireworkと組み、「tomato blood（トマトの血）」ケチャップを題材に全米の家族を巻き込むハロウィン・ポップアップを開催。公式サイトでのライブ配信をショッパブル形式にし、視聴画面からコスチュームキットをその場で購入できるようにしました。

この取り組みは期待を大きく上回り、Festival of Mediaでブロンズ、Internationalist Awards for Innovation in Mediaでゴールドを受賞。年間を代表するキャンペーンの一つに数えられました。インフルエンサーやTeam2Momsを起用した23分の特別ライブは、公開後2日間で31.5万再生、ライブ同時視聴は想定の2倍超となる5,000人超に到達。Fireworkの戦略的メディア配信とSNS展開により、プラットフォーム横断で1,600万以上のインプレッションを獲得し、的確にターゲットへリーチしました。

4. Koala

マットレスブランドのKoalaは、サイト全体にハロウィンの“イースターエッグ（隠し画像）”を仕込み、ファンに“宝探し”を呼びかけました。窓の骸骨やナイトスタンドのカボチャ、ベッド下のクモや血文字の看板、ベッドの下から伸びる手などを探してもらう仕掛けです。

これにより、ファンや潜在顧客がサイトをじっくり見る動機が生まれ、画像やテキストを細部まで閲覧するようになります。キャンペーンはSNSでも展開されました。成功させるには、巧妙かつ見つけやすいバランスでイースターエッグを配置することがポイントです。

5. Fanjoy

Fanjoyはインフルエンサーが起業家としてファンとつながるのを支援するブランドで、単なるグッズ以上に“自分の一部”を届けることを重視しています。ハロウィンではYouTube・テレビ・SNSで人気のJake Paulとコラボし、プラスチック製の仮面を販売（9.95ドル→5ドルに値下げ）。

「MASK IS MADE OF PLASTIC WITH A STRING TO HOLD ON YOUR HEAD（頭に固定するひも付きプラスチック製マスク）」というユーモラスな説明を添え、776件のウィッシュリスト追加と5つ星レビューが集まり、UGCも拡散。高マージンのヒット商品を狙うのではなく、ファンに喜びを届けることが目的でした。ハロウィン時期にはこのほかのインフルエンサー主導商品も多数投入しています。

6. Urban Outfitters

Urban Outfittersは「Influencer Halloween Costume Set」を発売し話題をさらいました。バイラル化したことでSNS上で注目を集め、メディア露出も獲得。「No press is bad press」という言葉通りの結果です。Bob Rossのコスチュームも“番外編”として注目を浴びました。

7. Kylie Cosmetics

メイクとハロウィンは相性抜群。Kylie Cosmeticsは特設ハロウィンページで限定コスメをテーマに沿ったネーミングとパッケージで展開しました。SNSでもテーマに合わせた写真や、通常とは異なる使い方、メイクアップアーティストによるハロウィンルックを共有しています。

8. Fashion Nova

ハロウィンの醍醐味は仮装。Fashion Novaは女性・男性・子ども・犬用まで幅広くコスチュームをそろえ、特別価格で提供しています。Instagramのストーリー、FacebookやX（旧Twitter）の動画、コスチューム写真コレクションには「Boo’d up」「Too cute to spook」などキャッチーな一言を添え、ブランドらしさを貫きました。

単にサイトでセールを実施するだけでなく、複数チャネルでプロモーションを最適化することが重要だと示しています。

9. Hawkers

オンラインのサングラスストアHawkersは、ホームページの「Death Tarot」をクリックするとタロット占い風の体験が現れ、ハロウィンページのサングラスをかけたスケルトンが“運命”を告げます。実際には最大70％オフのディスカウントを得るために占いを完了する必要はありませんが、意外性のある演出が体験を面白くしています。

10. Jeffree Star Cosmetics

メイクはコスチュームを完璧に仕上げる要素。Jeffree Star Cosmeticsはファンの写真や動画をSNSで積極的に共有し、メイクだけで完結するルックも紹介しています。ユーザーが製品をどう使っているかを共有することで創造性を促し、投稿の連鎖を生む好循環をつくっています。

11. Ring

ビデオドアベルのRingは、ハロウィンに合わせて“怖いチャイム音”を追加。幽霊が舞う音、オオカミの遠吠え、コウモリの羽音など、子どもがドアをノックするたびに鳴らせば雰囲気抜群です。大掛かりなキャンペーンではありませんが、シーズナル機能で話題を獲得しました。

12. Target

「ハートウォーミング」と「ハロウィン」を結びつけたTargetのフライヤーでは、足に補助具を付けた少女がエルサの衣装を着て登場。「プリンセスはどんな姿でもなれる」というメッセージを伝えています。多額の費用をかけなくても、シンプルで意義ある表現が強いインパクトを生む好例です。

13. Tesco

自動で動くカート、トイレットペーパーに隠れた顔、冷たい手など、予想外の仕掛けが買い物客を驚かせるTescoのハロウィン演出。7,000店近い店舗のうち、わずか2店舗だけで実施したことも意外性を高めました。怖がらせすぎず、子どもも楽しめる“ちょうどよい”スリルを提供しています。

14. Burger King

この少し不気味なCMは、ポップカルチャーへの言及とユーモアで記憶に残る仕上がり。米国・英国・ブラジルなど各国で展開されました。ハロウィンは遊び心が許されるホリデー。参加するなら思い切り楽しみ、顧客が語りたくなる仕掛けを盛り込みましょう。

ハロウィンマーケティングを楽しもう

ホリデーは、顧客とよりパーソナルにつながる好機です。ハロウィンなら、怖さや驚き、ゲーム性を活かし、自社に合った方法で祝えます。マーケティングでの活用がまだ少ない分、チャンスも大きい祝祭です。米国だけでも数十億ドルが動くこの時期に、創意工夫でオーディエンスとの距離を縮めましょう。ハロウィンマーケティングでは、ほとんどのアイデアが歓迎されます。

出典: 14 Best Halloween Campaigns to Inspire Yours (2025)