Shopifyプラットフォームにおける画期的なアップデートを発表できることを、大変嬉しく思います。商品バリエーションの上限が、商品あたり100種類から2048種類へ正式に引き上げられました。
これは単なる段階的な改善ではなく、Shopifyでの可能性を大きく広げる抜本的な機能拡張です。長年にわたり、複雑なカタログを管理するマーチャントから、バリエーション上限を100種類以上にしてほしいという要望が多く寄せられていました。Shopifyはその声に耳を傾け、Eコマースにおいて最高水準のバリエーション上限を提供するため、プラットフォームの中核部分を再設計しました。これにより、複雑な商品ラインを管理し、思い描いたとおりにカタログをマーチャンダイズすることができます。
ここでは、バリエーションの多いカタログサポートの重要性、この重要なプロジェクトにShopifyがどのように取り組んだか、などをご紹介します。
選択肢の力:現代のお客様のニーズに応え、コンバージョンを向上させる
今日の競争が激しいマーケットでは、選択肢が重要です。消費者は多様な選択肢を当然のものとして期待しており、その期待に応えられるブランドが選ばれます。
お客様が求めるものを提供する
消費者の選択肢が広がるにつれ、期待値も高まっています。購入者は、特定の色、素材、柄、質感など、自分にとって完璧なオプションを見つけたいと考えています。Stanley Quencherのように、新色が発売されるたびに世界中のファンに熱狂的に迎えられる商品の現象は、多様性の力を表しています。急成長しているブランドの多くは、期間限定商品の販売やブランドとのコラボレーション、そして豊富な選択肢を積極的に打ち出す戦略によって、大きな成功を収めています。2048種類のバリエーションを利用することで、マーチャントはこのような戦略を一切妥協することなく実現できるようになりました。
コンバージョンにつながる、より優れた購入体験
すべての商品バリエーションを1つの商品ページに集約することで、お客様の期待に応えられるだけでなく、ビジネス面でも大きなメリットが生まれ、シームレスな購入体験のほか、強力なマーケティングアセットを生み出すことができます。
また、1つの商品詳細ページを使用することで、SEO対策、広告費、ソーシャルマーケティングといった取り組みすべてを、1つの正規URLに集中できます。これは、検索順位の向上やキャンペーン効率の最適化につながります。訪問者が商品ページにアクセスすれば、利用可能なすべてのオプションを確認できるため、求めている選択肢がすぐに見つからずページを離れたり、離脱したりするリスクがなくなります。
業界に合わせたサポート
100種類のバリエーションで十分な業界もありますが、多くの業界は遥かに大きな柔軟性を必要としています。たとえば家具会社では、複数のサイズ、色、素材のアイテムを販売することが多く、すぐに100種類のバリエーション上限を超えてしまいます。これは、数えきれないほどのサイズと色でマーチャンダイズする、ブラジャーを販売するアパレル会社にも共通しています。このような業界において、さらに多数のバリエーション上限は、あれば便利な機能ではなく、マーチャンダイジング戦略において不可欠なものでした。
ぎこちない回避策から、単一のシンプルなワークフローへ
より多くの選択肢を提供することは明らかに重要だったため、マーチャントは長年にわたり、100種類のバリエーションの制限を回避するために、さまざまな工夫を凝らしてきました。たとえば、1つの商品を複数の商品ページに分割したり、カスタム開発を行ったり、あるいはストアフロントで複数のリスティングを繋ぎ合わせる外部サービスアプリを使用したりしていました。100種類以上のバリエーションをマーチャンダイズしたいブランドにとって、これらのアプローチは必要ではあったものの、設定費用の増加、複雑化、継続的な管理の諸経費といった問題を生み出していました。
Shopifyの目標は、バリエーションの多い商品の提供をシームレスにし、複雑な回避策を不要にするとともに、回避策をすでにお馴染みのシンプルで直感的な商品作成フローに置き換えることでした。このプロジェクトは大規模なものになり、基盤となるデータモデルとAPIに大幅なアップデートが必要となることは明らかでした。
プロジェクト:何年にもわたる取り組み
まず、プラットフォーム内部で商品がサポートされる方法を根本的に再考する必要がありました。バリエーションの多い商品が持つ膨大なデータ量は、REST Admin APIの設計と互換性がなくなっていました。そこで、2024年4月にGraphQL Admin APIを更新し、2048種類のバリエーションをサポートする新しいバージョンの商品APIをリリースしました。これが大規模な移行のきっかけとなりました。2048種類のバリエーションをサポートするためには、数千ものShopify パートナーアプリが、新しいAPIへ移行する必要がありました。移行しない場合、マーチャントの機能が壊れたり、体験がダウングレードしたりすることが予想されました。
Shopify パートナーの対応は、素晴らしいものでした。コミュニティでのQ&A、アンケート、そして何百回もの直接の対話を通じて実現した、Shopifyとパートナーエコシステムの密接に協力した取り組みは、まさに記録的なものでした。新しいAPIに移行した6,500社以上のアプリパートナーの皆様に、心から感謝いたします。皆様のおかげで、Shopifyエコシステム全体が、最も複雑な商品にも対応できるようになりました。プラットフォーム全体におよぶこのアップグレードにより、すべてのマーチャントにとって、エコシステム全体のスピードが向上し、強力になりました。そして今回のバリエーション上限の拡張は、このような共同の取り組みの最初の素晴らしい成果となりました。
スケールに対応し、スピードを追求:Shopifyの差別化
Shopifyの目標は、使いやすさ、信頼できるパフォーマンス、そして業界をリードする上限という3つの核となる原則に基づき、品質とパフォーマンスの新たなベンチマークとなる包括的なソリューションを提供することでした。
同じ管理画面で、より多くのバリエーションを
データモデルとAPIに関して、バックエンドで多くの変更を実施しましたが、Shopifyにとって重要だったのは、バリエーション上限の引き上げにより、商品作成がさらに複雑にならないようにすることでした。そして、私たちはそれを実現したのです。Shopifyで商品を作成するプロセスは以前とまったく同じままで、より多くのバリエーションを追加できるようになりました。
成長を追随するパフォーマンス
バリエーション数が増えるにつれて、バリエーション管理に必要なデータも複雑になります。Shopifyでは、単に上限を増やすだけでは不十分であることを認識していました。管理画面を利用する管理者にとっても、ストアフロントを利用するお客様にとっても、驚くほどスピードの速い体験にする必要がありました。
そのため、パフォーマンス専任のチームが設置され、斬新な成果を実現しました。そして、中核インフラストラクチャへの投資は、全体的なメリットももたらしました。このプロジェクトの過程で、2048種類のバリエーション上限の商品作成にかかる時間は10倍速くなり、単一バリエーションの商品も管理画面で33%速くなりました。
差別化されたバリエーション上限
これまでにEコマースソフトウェアを比較したことがあるなら、500種類以上のバリエーション上限はあまり存在しないと気づいたことでしょう。これは無理もないことです。なぜなら、そのためには膨大なインフラ投資が必要であり、ほとんどのマーチャントには、これほどの複雑さは必要ないからです。しかしShopifyは、世界でも最も複雑なカタログの一部をサポートしており、そのためには1,000種類以上のバリエーションが必要になります。最終的には、最も複雑な商品でもマーチャントが十分な余裕を持てるように、2048種類となりました。
今すぐ2048種類のバリエーショを使い始めましょう
管理画面で100種類以上のバリエーションがある商品を作成・編集するには、オプションとオプション値を新しい上限値の2048まで追加するだけです。これまでと同じ直感的なワークフローで、最も複雑な商品にも対応できるよう大幅に強化されました。
詳しくは、Shopify ヘルプセンターをご覧ください。





